BeOS diary


Issue #8
Jan. 17, 1998

BeOS と MIDI
メモリー価格の暴落
CPU trouble?


BeOS と MIDI


私はその昔ギター小僧であった。中学校から高校にかけては、少なくとも毎日6時間はギターを弾いて暮らしていた。(もうそれも10年以上昔の話となってしまっていますが・・・。)そんなわけだから、DTM というのは初めて Mac を手にしたときから私の頭の中にあった。最初はドラムとベースだけをコンピューターに演奏させて、それにあわせてギターをかき鳴らすことで満足していた。幸い Mac には QuickTime があるので、買ったその日からこれができる環境があるのだ(もちろん、そのための勉強やツールは必要ですが・・・。ちなみに最新の QuickTime 3.0 をインストールした場合は Roland の GS 音色が QuickTime だけでフルサポートされるので、高い音源モジュールを買わなくてもかなりすごい演奏をさせることができます)。

さて、BeOS ではどうだろう。BeOS にも BSynth というソフトシンセが内蔵されているが、この実力はいかなるものなのだろうか。BeOS をインストールした直後に私がこのことを確かめていたことは言うまでもない。

結論から言うと、この BSynth はかなりきているのである。少し派手な音色に仕上がっている感じもするが、なかなか素敵に MIDI データを演奏してくれる。非常に明るい感じの音である。既に聞き飽きてしまったようなデータも BSynth の音で再生させると、また新鮮な響きがしてくる。そんなわけで、BeOS をインストールしてからしばらくは、色々な MIDI データを再生させて楽しんでいた。

BeOS で MIDI データを再生させるアプリケーションは標準で2つある。SimpleMidi と Midi である。まず、SimpleMidi は単純に MIDI ファイルを開いて再生する、というだけのものである。音を調節したり、編集したりということはできない。唯一できることとして、リバーブ(残響効果)のオプションがあり、再生データ全体に対してリバーブエフェクトをかける、というのがあるのだが、これが案外気持ちよいのでお気に入りである。また、外部に接続した MIDI キーボードから直接 BSynth を鳴らすことも可能で、発音タイミングに若干の遅れが感じられるものの、それなりに楽しめるモノに仕上がっていると思う。ちなみに PowerMac を使用している場合、MIDI 1 がモデムポート、MIDI 2 がプリンタポートになるようです。

そして、もう一つのアプリケーションが Midi である。なんとも素っ気ない名前ではあるが、その画面はけっこう迫力あるものとなっている。

一見しておわかりのように、ミキサー的な使い方がある程度可能になっている。また、SimpleMidi では BSynth を使用した再生しかできないようだが、Midi の場合はシリアルポートに接続した外部音源を使用することもできるようになっている。それで、モデムポートに外部音源( Roland SC-88Pro ) を接続して使ってみた。しかし、あまり具合がよくなかった。具体的には、演奏が始まってしばらくすると(30秒ぐらいか?)音のホールド現象が起き、演奏が中断してしまう。要するに最初の少しの間だけしかきちんと再生されないのである。まあ、外部音源を鳴らすことに関して BeOS に特に有利な点があるとも考えられず、MacOS からデータを送ればなんの問題も生じないので、結局それっきり放置してある。


メモリー価格の暴落


別にだからどうした、という話ではないのだけれど、本当にメモリーが買いやすくなってきたと思う。実はちょっと古い話になってしまうが、12月上旬に上京したときに当たり前のように(^_^)アキバに行ってみたのだが、32MB の DIMM メモリーが 8000 円台ででているのを見つけて、思わず2枚衝動買いしたのだった。ブランドもとりあえず知っているところだったし、これを見たときは本当にビックリした。

これで晴れて内蔵メモリー 144MB となって3桁に突入したので、実に心ワクワクしたりもしたのだが、やっぱり何か変だなと感じてしまう。こんなに安くてよいのだろうか。私が 7500 を初めて買った(もう3年前かな)ときに増設した 16MB 2枚はいくらだったか考えてみると、どうしても納得がいかないのだ。なんか言いようのない怒りさえこみ上げてくる。(もちろん、安くなったことに対しては嬉しく思っているし、その恩恵にも預かっているのであるが・・・。)

でも、これが現在のコンピューターの姿なのかもしれないとも思うようになってきました。一年待つとその価格が10分の1になるなんてことも珍しくないですし、性能だって間違いなく一年で10倍以上の進歩があるでしょう。(何を基準にして話をしているのだ、とかいうことをつっこまれると何も言えませんが・・・。)こうして考えると、BeOS は来年にはどんな姿になっているのでしょう。本当に予想もできません。このことだけでも、使い続けていく気持ちにさせてくれますね。

本当にこれだけの話でした。申し訳ない!


CPU trouble?


少し BeOS そのものの話とは離れてしまうのだが、かなりアセル事態が発生した。とりあえずここで記しておきたい。

その時は MacOS を起ち上げていた。何をしていたかはハッキリ覚えていないのだが、そろそろテレホーダイの時間だからインターネットにアクセスするかなあ、と考えていたことはハッキリ覚えている。で、少しの間 Mac の前を離れていたのだが、戻ってみたらとんでもないことが起こっていた。

モニターを覗き込んだときは、はっきりいって何が起こっているのか理解できなかった。画面がいわゆる「砂の嵐」状態なのである。あの、テレビの放送が終了した後に見えるヤツである。(もっとも、ザーっという音はしていなかったが・・・。)まずは、我が目を疑った。じーっと見つめていても何にも変化はない。こりゃあもうどうしようもない、と思って強制再起動をかけてみた。そうしたらあっけなく「コマンド+コントロール+パワーキー」一発でできたので、とりあえずホッとした。・・・・が、しかし!

何にも起こらない。確かに電源が切れてから、また起動したようなのだが、ほんの少しの間ハードディスクのカリカリいう音が聞こえただけで何にも始まらない。そういえば起動音もしなかったような・・・・。それで、しつこく再度試みてみた。結果は同じ。間違いなくジャーンという起動音もしないし、ホンの少しの間ハードディスクがカリカリいうだけで The End だった。 その後、何度試してみても結果は同じだった。

起動音すらしないのだからこれはハードのトラブルに違いない、ということぐらいは私にもわかったのだが、原因については何の予測もできなかった。でも、仕方がないのでとりあえず中を覗いてみることにした。筐体を開けて、とりあえず色々と接触のゆるみそうなところをいじってみる。別におかしなところはなさそうな感じだった。ただ一つ気になったのは、CPU に取り付けてあるクロックアップブースターであった。別に CPU が異常に熱を持っているとかいうことはなかったのだけれども、起動音がしないということはとても致命的なことだろうと思ったので、ここが怪しいのではと考えたのだ。それで、とりあえずブースターの設定をクロックアップしないようにしてみたが、やはり起動音は聞こえてこなかった。

どうしようもないので、とにかく原因だけは突き止めようと思い、古い PowerPC 601 を引っぱり出して付け替えてみた。そしてパワーキーを押したら・・・・、「ジャーン」と聞こえてくるではないか!!! なんと無事に起動したのでありました。

よかった、よかった。これで本当に一安心。でも、どうも気分がスッキリしない。「やはりここが原因か」と納得をしたのは確かなのだが、これで 601 に逆戻りというのはどうしても許せなかった。それで、取り外した PowerPC 604/120 とブースターをよく調べてみた。(まあ G3 プロセッサーがこれだけ話題を振りまいているときに、601 と 604 の違いにこだわっているのは笑われてしまうかもしれませんが・・・。でも、やっぱり 601 と 604 を較べてみると、全然体感速度が違うのです。)

なんとなく取り付け位置が曲がっているような気がしたので、一度ブースターを取り外してから慎重に再度取り付けを行ってみた。それで、もう一回 604 を挿して起動を試みたところ、何の問題もなく起動したのでありました。この時の嬉しい気持ちは言葉では言い表せません。

それで「よしっ」と思って、またクロックアップを行った。以前に設定していた 150MHz にあわせてみたところ、なんとまた起動しないのである! ガーンという言葉だけではその時の気持ちを表現することはできない。

それで泣く泣くちょっと設定を変えてみた。140MHz に落としてみたらきちんと起動した。なんてこった!

狐につままれたような話だが、現在は 140MHz に設定したままで、その後は快適に動作している。一体なにが起こっているのだろう。ブースターを付けるのはどうしても CPU に無理をさせているので、徐々にその性能を劣化させてしまうのだろうか。ひょっとするとこういう現象が一度でたということは、これからますますひどくなる兆候なのだろうか。いっそのことブースターは外してしまった方がいいのだろうか。・・・様々な心配が頭をよぎる。でも今は動いているから、とりあえずよしとしてやっていくことになるだろう。(やっぱり一度味わった速度は忘れられないのです。人間とは恐ろしいものです。)

結果、今でも悩み続けていることが一つあります。それは、今までいろんなところのアンケートに答えるときに、得意げに自分の使用機種を Power Macintosh 7500/150 と書いていたことです。これをこれからどうしようか・・・・。スイマセン、つまんない話で。でも、7500/140 と書くのもちょっとくやしいんですよね。

<追記> Dec. 4, 1998

CPU をクロックアップすると性能劣化が起こるのか、という問題について半導体の製作に携わっている N.F. さんより情報をいただきました。以下転載します。

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CPUに限らず集積回路の内部の配線にはアルミ配線が使用されています。アルミ配線は電流を流すことによって部分的に細い箇所が発生してきます。細くなった部分は電気抵抗が高くなるため温度が上昇し、アルミ原子の移動がしやすくなり、さらに細くなることを加速するという悪循環となります。(これをエレクトロマイグレーション現象と言います。)この現象は10年とか20年といった長時間連続して使用した場合にはじめて現実の不良となる程度を想定して初期設計されています。

ところがクロックアップなどにより設計時に想定される温度を越えて使用すると一般家庭での使用の様に間欠的な電源投入による使用であっても見る見るうちにマイグレーションが発生し不良となります。おそらくクロック150MHzでは信号のタイミングがずれる位に電気抵抗が高まってしまっているものと考えられる状態ですね。

クロックアップは自らの命を縮めて速度を上げるものですから、可能な限り避けるべきです。特にアップグレードカードで高速なクロックが選択できたとしてもCPUそのもののスペックをメーカーのwebサイト等でチェックした上で上限を守ることが肝要です。(ファンを付けてもチップの内部までは冷却できていませんよ)

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やはりクロックアップにはそれなりの覚悟が必要ですね。N.F. さん、貴重な情報をどうもありがとうございました。(^_^)

ついでですが、7500/140 とかいう表記をくやしく思っていたのは過去の話となりました。現在は 7500/200 です。(もちろん、クロックアップはしていません。)それにしても後悔しているのが、なぜ 400MP にしておかなかったのか、ということです。今はもうどこにも見当たらず、入手不可能なようです。ないとなると、ますます欲しくなる。こまったものです。

やっぱり時代は G3 か! G3 は以前 Be 社のウェブページで未対応となっていたのですが、BeOS が動いているマシンには G3 カードを挿しても BeOS が動くらしいという話を最近よく耳にします。こうなったら・・・・・(^^;

#やってもーた、しないように気をつけます。(^_^)


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